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第17回札幌市長会議

 

全体概要

 2016年7月27日から30日までの4日間、札幌市で第17回世界冬の都市市長会議が開催され、8カ国32都市から98名が参加しました。札幌での市長会議開催は1982年の第1回市長会議以来、34年ぶりとなりました。

 初期の市長会議では冬の生活課題の克服をテーマに議論を重ねてきましたが、2000年代以降、世界的な課題である地球環境問題を主要な議題としてきました。

今回の会議では、「冬の都市のまちづくり~独自性とその魅力~」をメインテーマに、冬の都市だからこそ持ち得るまちの魅力に着目し、これをどのように発展させ、発信していくのかについて、率直な意見交換を行いました。

 ・開催期間:2016年7月27日(水曜日)~7月30日(土曜日) 

 ・開催都市:札幌市 

 ・参加都市:8カ国32都市(うち会員都市7カ国15都市) 

 ・メインテーマ:冬の都市のまちづくり~独自性とその魅力~ 

 

会議参加都市(会員都市) 7カ国・15都市

カナダ

エドモントン市

中国

長春市、ハルビン市、ジャムス市、鶏西市、チチハル市、瀋陽市

フィンランド ロヴァニエミ市

日本

松本市、札幌市

モンゴル ウランバートル市

韓国

華川(ファチョン)郡、麟蹄(インジェ)郡、太白(テーベク)市

ロシア

ノボシビルスク市

 

会議参加都市(オブザーバー参加都市) 3カ国・17都市

デンマーク

コペンハーゲン市

ロシア

グブキンスキー市、プーロヴスキー地区、ヤマロ・ネネツ自治管区

日本

弘前市、金ケ崎町、福岡市、留萌市、苫小牧市、美唄市、千歳市

滝川市、恵庭市、ニセコ町、倶知安町、月形町、下川町

 

会議参加者による記念撮影

 

第17回世界冬の都市市長会議(日本・札幌市)報告書

日本語 英語版

 

 

会員都市による事例紹介

 7 月27 日と28 日の2日間に渡り、3つのサブテーマに基づき13 都市が14 事例を発表し、次への展開のヒントになるような、冬の都市に共通する課題やまちづくりの取組事例も多く紹介されました。

 

テーマ1 ~冬を活用したまちづくり~

 エドモントン市からは2012年に策定した「冬の都市戦略計画」に基づくまちづくりについて、ジャムス市、鶏西市及びチチハル市、華川郡からは、雪や氷といった冬の資源を観光資源として活用する取り組みが、長春市、ロヴァニエミ市からは、ウィンタースポーツを活用したスポーツツーリズムに関する取り組みが、そして、ノボシビルスク市からは、寒冷の厳しい環境下における施設建設の事例などが紹介されました。また、今回の開催都市である札幌市からは、冬季オリンピック・パラリンピック招致を通したまちづくりについて発表を行いました。

 

テーマ2 ~冬以外の季節の気候特性を生かしたまちづくり~

 麟蹄郡からは、あらゆる自然エネルギーを活用し、エネルギーの都市部からの自立を目指す取り組みが紹介され、2045年までにエネルギー自給率100%を目指していることが紹介されました。

 

テーマ3 ~冬の都市における環境に配慮した持続可能なまちづくり

 松本市より、2010年から先進的に行っている食品ロス削減事業が紹介された他、ハルビン市から10年間にわたり行ってきた水源地の環境改善への取り組みが、瀋陽市からは2011年から推進している環境配慮型のビル建設に係る取り組みなどが紹介されました。また、札幌市からは都心部における環境に配慮した持続可能なまちづくりについて発表を行いました。

 

札幌市長会議の様子

 

開会式であいさつする秋元札幌市長

 

会員都市が取り組む環境保全に関する行動目標の最終報告

 2014 年1月に華川郡で開催された第16回世界冬の都市市長会議での決議を受け、各都市が設定した環境保全に関する行動目標の取組結果を報告しました。行動目標を設定していなかった都市からも環境保全の取り組みをご紹介いただきました。

 今後も環境保全に関する取り組みを継続し、各都市が新たに行動目標を設定した上で、2018年に瀋陽市で開催する第18回世界冬の都市市長会議の場で、その取り組み結果について報告することとなりました。

環境保全に関する行動目標の最終報告

 

市長ディスカッション

 世界冬の都市市長会の創設時からの特徴である、都市が抱える課題について市長同士が対面で率直に語り合い、学び合うということを実現する場として、各都市代表者による「市長ディスカッション」を行いました。

 今回は「まちに経済的な活力を創出するための方策」をテーマに、華川郡のやまめ祭りによる地域活性化や、麟蹄郡などのスポーツを活用した活性化の取り組み、ノボシビルスク市などの企業支援策といった、様々なアプローチからの意見が出され、有意義な情報交換の機会となりました。

 

コペンハーゲン市長の講演

 デンマーク・コペンハーゲン市のモーテン・カベル技術・環境担当市長から、風力やバイオマスを中心としたクリーンエネルギーの積極的な活用をはじめとする環境エネルギー施策の分野で、世界的にもトップクラスの先進都市として知られているコペンハーゲン市の取組事例をご紹介いただきました。ご講演の概要は以下のとおりです。

 コペンハーゲン市は炭素の排出量を大量に削減し、2025年までに、排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素の量を同じにするカーボン・ニュートラル(炭素中立)都市に世界で初めてなることを目標としています。環境にやさしい持続可能な都市を目指すときにまちがコンパクトであることは重要であり、地域暖房の果たす役割は大きいと言えます。現在、コペンハーゲンの地域暖房サービスは、市の98%以上のビルに供給されており、これは世界で一番の数字となっています。

 環境に配慮することは、経費の増加を意味するものではありません。1994年から2010年までの間に経済活動が25%高まった一方、温室効果ガスを40%削減することができました。コペンハーゲンの強い経済は、このような環境に良い変革を行ったことに要因があります。

 

コペンハーゲン市のモーテン・カベル技術・環境担当市長

 

国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所 近藤代表の講演

 国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所の近藤哲生代表から、2015年9月、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の概要と地域開発における地方自治体同士の国際協力をテーマにご講演いただきました。ご講演の概要は以下のとおりです。

 SDGsは17の目標と、169のターゲットで構成されており、貧困や飢餓の撲滅、気候変動への対策、再生可能なエネルギーの確保など、開発途上国だけでなく先進国も自国での取り組みを求められるものが多く含まれています。SDGsの達成は、国連や国のみの問題ではなく、住民の生活に直結した行政サービスを提供する地方自治体にも深い関わりがあります。近藤代表が以前勤務されていた旧ユーゴスラビアのコソボとアフリカのチャドでは、国の発展に向けて、「地方分権を進める」という政策が共通して推進されていました。

 近年は「地方自治体から地方自治体への自治体間協力」も広く普及してきています。地方自治体発の知見や人材、資源が世界で広く求められ、多くの成果を挙げています。日々の市政を通じて、SDGs達成のために何ができるかを一緒に考え、取り組んでいただければ幸いです。

 

国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所の近藤代表

 

ウランバートル消防技術支援事業の結果報告

 会員都市のモンゴル・ウランバートル市のサンダグドルジ・バヤルバートル戦略政策企画部長から、市長会ネットワークの活用事例として、札幌市によるウランバートル市への消防技術の支援事業についてご報告いただきました。

 急激な人口増加と都市化の進行により、高層ビルの建設が増加している一方、高層ビルでの火災など大規模災害があったときの対策を整備するため、国際協力機構(JICA)の「草の根技術協力事業」という制度を活用し、2013年から2015年までプロジェクトを実施しました。2012年のウランバートルでの世界冬の都市市長会議開催がひとつのきっかけとなり、両市の消防技術協力事業が成立し、大きな成果を上げることができました。

 

ウランバートル市のサンダグドルジ・バヤルバートル戦略政策企画部長

 

札幌開成高校生徒によるまちづくり提言

 国際社会で活躍できるグローバル人材を育成する文部科学省のスーパー・グローバル・ハイスクールに指定されている札幌開成高校3年の生徒から、若者の視点から見たまちづくりの事例として、まちづくりに演劇を活用することの有用性について提言がなされました。

 演劇は「コミュニケーションのアート」、「生きているアート」、「市民がつくるアート」という3つの強みを持っており、これらを生かして、中高生が「地域の課題を演劇にする」という取り組みを行いました。プロの演出家を学校に招き、生徒が「特殊詐欺」をテーマに演劇を作り、地域のお年寄りに発表しました。観劇者から、「演劇は印象に残りやすく、また世代間の交流にもつながる」という声が寄せられ、好評を得ました。

 

札幌宣言と決議の採択

 市長会議の締め括りに全体会議を開催し、札幌市及び事務局から提案された札幌宣言及び決議が会議に参加した全会員都市の賛同を得て採択され、会議参加都市の代表者が署名した後、本市長会議の主催者である札幌市の秋元市長が宣言文に署名しました。

 会議での議論を通じて、冬の都市には優れた独自性があり、それがまちづくりを進める上で大きな強みになっていること、そして、会員都市が互いに協力し合いながら、市長会ネットワークをまちづくりに生かしていくことを改めて共有することができました。

 また、環境保全のように、会員各都市の努力が地球規模の課題の解決につながることに加え、これまで国や文化の違いを越えて培ってきた市長会ネットワークが、様々な国際的課題の解決の一助になることを確認しました。

 参加都市から、「冬の都市間の類似性と相違性を学ぶことができた」、「厳しい気候条件における市民生活改善のため、知識や経験を共有することは大切」などの感想が述べられ、最後に秋元札幌市長が「冬の寒さや雪を克服していく知恵を共有し合うというところから、地球環境問題を含め、まちづくりという大きな視点で都市の連携を進めていく、そのような新たな思いを共有できた」と述べ、会議を終了しました。

 

札幌宣言に署名するエスコ・ロトゥヴォネンロヴァニエミ市長

 

札幌宣言

 34年間の歴史を有する「世界冬の都市市長会」は、1982年に「北方都市会議」として、ここ札幌で始まった。

これまで我々は、積雪寒冷地の都市が抱える多様な課題と向き合い、数多くの仲間たちと共に学び合うことで冬の都市の発展に努め、その絆を強固なものにしてきた。

 冬の都市には雪や寒さという冬の特徴に加え、四季の変化や際立つ夏の輝きという他の地域にはない魅力がある。これらを生かして、「このまちに住んでいて良かった」と思ってもらえるようなまちづくりを行うことが我々の使命である。

 我々は世界冬の都市市長会のネットワークを最大限に活用し、国や立場を超えて互いの文化の違いを理解し、つながり、切磋琢磨し合いながら協力し、こうした「まちづくり」を一層推進していく。

 また、冬の都市市長会を通じた我々の活動は、各都市の課題解決のみならず、未来の国や世界を形作る欠かせない要素であり、環境問題など地球規模の課題解決にも寄与していることをここに確認する。

 さらに、30年を超える継続的な活動を通じ、国境を越えて信頼関係・協力関係を築いてきた冬の都市のネットワークが、異なる文化や利害が複雑に絡み合ったさまざまな国際的課題の解決の一助になることも期待したい。

 よって、我々冬の都市は、さらなる連携を深めるとともに、世界冬の都市市長会が積雪寒冷地の都市を主導する存在となることを目指し、始まりの地であるここ札幌から、共に未来に向かって新たな一歩を踏み出して行くことを宣言する。

 

北極圏デザイン小委員会

 課題解決の手法としてデザインを活用し、会員都市の成功事例やノウハウを学び合う「北極圏デザイン小委員会」が開催され、同小委員会事務局のロヴァニエミ市より、事前に行った小委員会参加都市の成功事例に関するアンケート結果が報告されました。

「北極圏デザイン賞委員会」(ロヴァニエミ市)の報告

 

冬の都市見本市

 世界冬の都市市長会の活動を通じて培った会員都市同士のつながりを生かして、会員都市間の人・物・情報の行き来を促進し、まちのさらなる発展に結び付けることを目指して、「冬の都市見本市」を開催しました。

 冬の都市見本市は、世界冬の都市市長会議の主催都市によって開催されるイベントで、これまで世界各地で12回行われてきました。札幌では、物産の販売や展示により会員都市の魅力をご紹介する「2016ウインターシティーズ・ショーケース」と、企業間の商談チャンスを創出する「ビジネス交流会」を行いました。

 

2016ウィンターシティーズ・ショーケース

 7 月29 日から31 日までの3日間、札幌駅前通地下広場「チ・カ・ホ」にて、市長会議に参加した都市などがブース出展し、工芸品や衣料品、食品を展示販売したほか、会場内にパネルを展示し、都市の魅力を紹介しました。

 初日のオープニングは、札幌市の秋元市長の開会あいさつに続き、出展都市の代表者によるテープカットで幕を開けました。期間中、多数の来場者に冬の都市の特色ある物産や展示をお楽しみいただきました。

 

 

開会式のテープカット

 

ビジネス交流会

7月28 日、札幌プリンスホテル国際館パミールで行われ、札幌・北海道及び市長会会員都市から環境分野と旅行分野の企業が集まり、個別商談会を開催しました。今後のビジネス交流への発展を期待できる、ネットワーク構築の機会となりました。

 

 

冬の都市フォーラム

 1981 年に札幌市の提唱により誕生し、国連の登録NGO でもある世界冬の都市市長会。市長会の主要事業である市長会議が、34 年ぶりに札幌市で行われたこの機会に、7月30日に共済ホールで記念イベントとして「冬の都市フォーラム」を開催しました。

 フォーラムでは、市長会のこれまでの活動を秋元札幌市長が紹介したほか、ウランバートル市のバヤルバートル戦略政策企画部長から市長会ネットワークの活用事例として、市長会議がきっかけとなって始まった札幌市のモンゴルへの消防技術協力事業も紹介されました。さらに、国連広報センターの根本かおる所長と、国連開発計画(UNDP) 親善大使で俳優の紺野美沙子さんが、2015年9月に「国連持続可能な開発サミット」で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」や、ご自身の活動体験を交えながら、2016年に日本が加盟60周年を迎えた国連の活動をご紹介しました。

 

 

「持続可能な開発目標(SDGs)」について

2015年9月、ニューヨークの国連本部で「国連持続可能な開発サミット」が開催され、150を超える加盟国首脳の参加のもと、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。アジェンダは、人間、地球及び繁栄のための行動計画として、宣言および目標を掲げました。この目標が、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」です。

国連に加盟するすべての国は、2015年から2030年までに、貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和的社会など、持続可能な開発のための諸目標を達成すべく力を尽くします。

 

 

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